Profile

柞山健一

さくやま眼科
院長

琉球大学医学部卒業後、東京医科歯科大学附属病院等で麻酔科医として3年間全身管理を学ぶ。その後、横浜市立大学付属病院等にて眼科医として修練を積む、また同大学大学院にて医学博士号を取得。2020年にさくやま眼科を開業。

現在の仕事についた経緯

私は、生き物に興味があり、虫取りをしたり、魚釣りをしたり、動物を飼育したりするのが好きな子供でした。
からだのしくみ、からだのふしぎ、みたいな本もよく図書館で借りて読んでいましたね。中高生の時も得意科目は生物でしたので、将来はそれを活かせるような仕事に就きたいと考えていました。
高校の時に進路を真剣に考え、生物学そのものを極めることも考えたのですが、様々な将来の可能性を考える中で、ただ学ぶだけではなく、そこで得た知識や技術を、誰かのために還元できるようにするにはどうすればよいのか?そして、できれば人と人との関わりを大事にできるような仕事に就きたいという考えに至り、医師の道を志すことになりました。そこからはかなりの努力を強いられることになるのですが、幸いにも、医学部に入学し医師になるという夢を叶えることが出来ました。
琉球大学を卒業後、東京医科歯科大学の麻酔科にて全身管理を学ばせていただきました。大変忙しい毎日でしたが、これを経験することで、「眼だけではない」と言える、医師としての自信につながったと考えております。
その後、横浜市立大学にて眼科の基礎を学ばせていただき眼科専門医となりました。大学院で研究をさせていただいたり、眼科手術をたくさん執刀させていただいたり、眼科医として様々な診療を経験させていただきました。
人間の眼の能力はとても素晴らしいもので、見たいと思ったところに一瞬でフォーカスを合わせることが出来て、どんな高性能なカメラでも敵いません。人は80%以上の情報を視覚から経ているというのは有名なフレーズです。
眼科医は生命の危機につながるような疾患の治療を担当させていただくことはほぼありませんが、眼が大切な器官であることは言うまでもなく、視覚を守るということは、命を救うことと同じくらい重要な責務を担っていると考えます。
また、何らかの原因で視覚に障害を持ってしまう患者様もいらっしゃいます。そうした患者様に寄り添い、サポートしていくということも重要な責務であり、眼科医の仕事は幅広く大変重要なものだと考えております。

仕事へのこだわり

私が目指す医療とは、「真に患者様やご家族が安心して治療を受けることができるクリニックをつくり医療を提供する」こと、「利便性の高い開かれたクリニックを作る」ことです。
当たり前のことですが患者様一人一人に生活があります。仕事、学校、家庭等、様々な理由からどうしても受診が出来ないということもあるでしょう。また「病院が怖い、嫌い」という声はいつの時代も変わらず聞かれます。
つらい症状を放置してしまったり、不安を抱え一人で悩んでしまったりするということが、少しでも減っていただければという思いでおります。

そう思えるようになった
きっかけ

勤務医として修練を積んでいた日々の中のいくつかの出来事です。
治療がうまくいったときに、ある患者様に「ずいぶんよくなりましたね!頑張りましたね!」と、私としては素直に出た言葉ではあったのですが、後日その患者様から、先生のあの言葉でとても安心できた、楽になりましたと感謝のお気持ちを、丁寧なお言葉でいただくことがありました。
また、原因不明の症状で、数件の眼科を渡り歩いてきた患者様で、私のほうでも各種検査をしましたが、どうしても原因が追究できなかった方がいらっしゃいました。そんな時でも、「病院に来て先生とお話しして、安心できました。」と言ってもらえることもありました。幸い、その方は不安の解消とともに、その後の経過観察で改善されていきました。
患者様は少なからず不安を抱えているもので、医師やスタッフのちょっとした一言や対応で、その不安を取り除いてあげることができるんだなということに改めて気づかされた経験です。

またこんなエピソードもありました。
救急対応の病院で夜間診療にあたっていた時のことです。幸いに、対応した患者様は、心配のない病態でしたので、その旨を伝え、診察を終了いたしました。
ご本人もひどく驚かれて受診されたとのことでしたので、診察を受けて安心できましたという、ありがたいお言葉をいただくことができました。場が和んだところで、ちょっと間をあけておっしゃられたのが、
「こんな病気で来ちゃまずかったですかね?」
この言葉は忘れられないものになりました。開業を考えるきっかけにもなった一言でもあります。
確かに、軽症で救急車をタクシー代わりに使ったり、夜間救急に定期処方の薬をもらいに来たりすることなどが、社会問題になっています。実際に救急の現場では大きな問題なのだと思いますが、それとはちょっと違う問題だと考えます。
患者様には軽症なのか重症なのかの判断はつかないですし、不安な気持ちのまま過ごされるのは大変つらいことだと思います。患者様にこんな言葉を言わせたくないなという気持ちから、心配なことがあれば些細なことでも、遠慮せず相談してもらえるような医療を目指したいと、開業を考えるきっかけとなったエピソードの一つです。

このような経験を通して、私が目指す医療とは、上述したように「真に患者様やご家族が安心して治療を受けることができるクリニックをつくり医療を提供する」こととなりました。
また利便性についてもこだわりがあります。開業前に勤務していた大きな病院では、時間外受診や予約外受診はかなり厳しくお断りするというシステムがありました。
大きい病院の役割上、致し方ないとは思いますが、辛い症状を抱えて仕事終わりにようやく病院に辿り着いた方や、お仕事でお疲れのところ急変したお子さんを頑張って連れてきてくれたお父さんお母さん、そんな患者様への対応として疑問に思うところがあり、これも開業に至った理由の一つとなっております。
土日祝日診療や、可能な限り遅い時間まで診療できるような体制を取り、予約制などで受診人数や時間に縛られない、開かれたクリニックを目指しています。

今後の目標

何かに特化した、例えば「白内障手術なら〇〇眼科だよ!」と言われることも大変すばらしいことだと思いますが、「ちょっと心配だから、とりあえずさくやま眼科に相談してみるよ」と言ってもらえるような、そんな医者になりたいと日々思っております。
不安なことや、こんなこと言ってもいいのかな?と思われるようなことでも気になることは遠慮なく相談していただければと思います。
そして、そんな患者様のご要望に応えられるように、知識と技術の習得に邁進し、理想の医療に近づけるよう、日々精進して参りたいと思います。

※ 本サイトに掲載している情報は取材時点のものです。

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