Profile

大堀理

医療法人社団實理会/東京国際大堀病院
理事長/院長

1956年、東京都出身。1986年、岩手医科大学医学部を卒業した後、北里大学病院で研修を受ける。1990年、米国ヒューストン市ベイラー医科大学に留学し、1992年に同大学泌尿器科講師に就任。1999年から4年に渡り、米国メモリアルスロンケタリング癌センター前立腺診断センター副所長を務める。帰国後2007年、東京医科大学教授に就任。2008年、東京医科大学前立腺センター長、2014年、東京医科大学ロボット手術センター長を歴任した後、2019年に東京国際大堀病院を開院。ロボット手術を中心にした手術・治療に携わる。

先輩からの一言で
医師を目指す

私は高校生の頃、小説が好きで本を読み漁る日々を送っていました。卒業後は早稲田大学に進学。医学部に進学していた高校時代の先輩から、「医師とは大変だけどやりがいのある仕事だ」と聞き、私の父も医師だったため、大学を辞めて医学部を目指すことを決意しました。猛勉強の末、医師になり、米国ヒューストン市ベイラー医科大学に留学。最初は患者さんと接する中で、語学の壁にぶつかりました。そんな時、前立腺がんの患者さんが私に悩みを打ち明けてくれ、つたない英語ながらもなんとか励ましたのです。そこで言葉が通じるかどうかは関係ない、理解する気持ちが大事だと思うようになりました。

医師になったものの、いまひとつ患者さんの気持ちを汲み取ることができていない人も多いので、若い先生にも患者さんの気持ちを理解することが大事だということを伝えていきたいです。

極めても
常に初心を忘れない

全国各地から訪れる患者さんに向き合い、幾度となく手術を経験しても、「毎回手術室から出て元気になってもらわないといけない」という思いは同じです。特に前立腺がんは、尿失禁と性機能障害という二つの大きな問題があり、本当に良くなっているかは手術から数カ月経たないと分からないし、がんが治ったかは4、5年経過しないと本当の意味では分かりません。

手術はやればやるほど奥が深いし、体力が続く限りは極めていきたいと思っています。今は、5年後に二つの問題もなく再発もなければ100点だと分かるのですが、手術中も100点だと思えるような手術をしたいです。

医療に限ったことではありませんが、いい仕事をするには模範になる人がいた方がいいといいますが、私にとってDr.スカルディーノが手術、教育、研究全てにおいて素晴らしいと尊敬しています。私も若い先生にできるだけ時間を使い、臨床や研究を一緒にやっていきたいし、それが私の原動力になっていると思います。

どんな仕事であっても、最初はつらいことや合わないと思うことがあるかもしれませんが、最低3年は一つのことをやってみる、それがその後につながるのではないかと思うので、皆さんもまずはやってみる、続けてみてください。

※ 本サイトに掲載している情報は取材時点のものです。

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