23歳の時、内視鏡を生涯の仕事にするきっかけとなった出来事がありました。
私の父は元々肝臓の病気があったのですが、たまたま帰省していた大学5回生の時、突然父親が私の目の前で大量に吐血をして倒れました。私は気が動転しそうになりましたが、何とか自分を落ち着かせ、父の呼吸や脈を確認し、すぐに救急車を要請しました。
元々主治医をしてくれていた叔父の病院に搬送され、叔父は「お前も見ときや。」と言い、専門の先生が緊急内視鏡をすることになりました。今思うと、家族が見守ってる中で生きるか死ぬかの緊急治療をするのは、とても緊張するし嫌だっただろうなと思いますが、内視鏡の先生はものの見事にバシッと血を止めてくれました。
それは私にとって衝撃でした。ただの検査用の機器と思っていた内視鏡で救える命があるんだということを身をもって知ることができたのです。その瞬間「俺は将来、内視鏡をやる。」と心に誓いました。
印藤直彦
印藤内科クリニック
院長
1982年、香川県高松市生まれ。大阪医科大学(現 大阪医科薬科大学)医学部医学科を2007年に卒業。大阪の市立豊中病院で初期臨床研修医として2年間勤務。その後消化器内科を専攻し、後期研修医として3年間勤務。
2012年より淀川キリスト教病院消化器内科で7年勤務後、2019年より康心会消化器内視鏡クリニック大阪福島院の院長として3年間勤務。
大阪から生まれ育った香川県高松市へ戻り、2022年5月に元々の夢であった自身のクリニック、印藤内科クリニックを開院し現在に至る。
現在の仕事についた経緯
仕事へのこだわり
私が医者になってから現在まで1番力を入れてきたのは胃カメラや大腸カメラといった内視鏡です。近年の内視鏡技術の進歩は本当にすごくて、現在は胃がんや大腸がんの診断だけではなく、様々な疾患の治療も行えるようになってきました。
日本中にたくさんの内視鏡を専門とする先生がいらっしゃいますが、その中での私の使命を一言で言うと、“胃カメラや大腸カメラを受けることに対するハードルを下げること”だと思っています。
現在、鎮静剤をうまく使うことで、検査は本当に楽に受けることができます。全然苦しくありません。残念なことにまだそのことを知らず、「胃カメラ・大腸カメラ=苦しい、しんどい」と思っている方が多いですし、特に都会よりも地方の方がそのような方が多いと感じます。
1人でも多くの方に検査を受けていただき、早期発見早期治療の大切さを知っていただくこと、胃がんや大腸がんで苦しむ方を少しでも減らすことに、一内視鏡医として、少しでも貢献できればと思い日々の診療を行っております。
また地方であっても都会と同じクオリティで検査や治療が受けていただけるクリニックを目指して日々勉強しております。
今後の目標
ただ普通の内科のように、内視鏡や一般の診療だけを行うのではなく、予防医療にも注力していきたいと思っています。病気を治すのではなく、予防するためにできること、また、ただ生きるのでなく健康的に生きること、そのために必要なことを患者さんにお伝えし、私自身も実践していきたいです。
医療はとてつもないスピードで日々進歩していますので、現在常識であることが、すぐに非常識になったり、新しいものが出てきたりします。時代に取り残されないように日々の勉強を怠らず、知識を最新のものにアップデートし続けることを忘れない、これが私の目標です。
若者へのメッセージ
しかし、自分が思ってるほど他人は自分に関心はないものです。失敗してもすぐ忘れられるし、失敗しないと分からないこと、失敗して初めて気づくことが本当にたくさんあります。まさに阿波踊りの「踊る阿呆に見る阿呆、同じアホなら踊らにゃ損々」です!どんどん踊ってください!
すぐに行動にうつせる習慣が身につけば、それは将来、あなたを成功に導く重要な武器になるはずです。
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