Profile

菅原健

健友堂クリニック
院長/健康科学大学特任教授

山梨医科大学卒業、2011年漢方治療に特化した医院を開設。現在は健康科学大学特任教授も務める。著書に「有持桂里方輿輗解説」「校正方輿輗解説講義」(月刊漢方療法に連載中)「知られざる日本漢方のチカラ」(幻冬舎)など。

現在の仕事についた経緯

現在の仕事に就いた経緯は、救急の現場やペインクリニックの外来をやってゆくなかで、原因が分からない病気や原因が分かっていても治せない病態があまりにも多くあるということを見てきました。
それをなんとか解決しなければいけないと重い、医学の基礎学問にたちかえって考えたり、数学や物理学をおうようした治療法を考えたりする中で漢方医学に出逢ったのです。
漢方医学については何も知識がなかったので、はじめは霧の中を手探りで進むように闇雲に手当たり次第に書物を当たっていたのです。
そのとき大分の織部和宏先生に出会うことができ、それから漢方について深く学ぶ事が出来ました。

仕事へのこだわり

漢方医学は、日本の先人達が築いた学問であり、現代よりも江戸時代の時の方がある意味もっと多くの疾患を治せていたと思うのです。
それはなぜかというと、現代よりも使える生薬の種類も多く、剤型も湯液、丸薬、散薬など様々に使いこなし、さらには和方の処方までありました。
しかし現代の漢方医学にも優れたところがあります。それは医療用漢方製剤という剤型のものがある事でありますが、これが結構効果が高いのです。
また、日本は保健医療制度のおかげで安価な治療を受けることが可能であります。
現代は生薬の仕入れてそれを保険診療で行うと仕入れの値段の方がはるかに高価になってしまうという問題があります。それが原因で本格的に漢方治療を行う先生方の中には自費診療に移行してゆく方もみられます。
漢方医療も日本古来からの医療であり、保険診療も日本独特の医療体系なわけですから、できるだけ両立する方向でやって行きたいというこだわりがあります。
また、保険収載の漢方薬だけでは十分な診療が出来ない場合もありますので、それに対しては自家製の散薬や丸薬を作って提供したりしています。
湯液はなるべく医療用エキス剤を使い、足りないところというか、現在販売していないような処方は自分達で薬を製作してまで保健医療にこだわっているわけです。やれる限りはこのスタイルでやろうと思っています。

そう思えるように
なったきっかけ

きっかけは、医院を開業した事でしょうか。 その当時漢方医院というスタイルでの開業は一般的ではないというか、一般の認知度としては「漢方なんて…」というくらいの意識しかなく、漢方を前面に押し出す開業スタイルは漢方薬を専門に製造している多くのメーカーの人たちからも反対されていたのです。
しかし、実際処方するのはほとんど漢方薬ばかりですし、どうせなら漢方医院という形態で開業しようと決めました。
最初の頃はかぜで受診した患者さんに漢方薬を処方したところ、漢方なんて処方しやがってと言って怒って帰ってしまう人もおられましたが、今は東洋医学会などの多くの先生達の努力もあって漢方の認知度は高まってきています。
また、いままでなかなか治療出来なかった病態が漢方薬を使ったおかげで速やかに治ってしまった時などは、漢方専門の医院でよかったなと心から思う時ですね。
そして今の認知としては、漢方でしか治せない病気があるのだという方向へ向かっているように感じます。

今後の目標

これまで漢方の主に薬のことばかりを述べてきましたが、実は漢方で最も大切なことは処方に繋げるための正確無比な診断方法にあります。
また、多くの古書から先人の知恵を多く得ることも重要であります。この二つの事は一朝一夕では達成できません。
漢方を目指す医者は一生かけてもやり終わらないような膨大な量の研鑽を積まないとなりません。そのためには私が織部先生から学んだ時と同じ様に道しるべになる先生が必要であります。
そういうやる気のある若い医師が勉強するための手助けになるように、また正しい漢方医学が新しい日本に根付くようにという活動をすることが今後の目標です。

※ 本サイトに掲載している情報は取材時点のものです。

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