Profile

大内雅之

大内雅之アイクリニック
院長

1990年 東京慈恵会医科大学卒
同年 京都府立医科大学眼科学教室
2004年 大内眼科主任執刀医
2007年 京都府立医科大学 客員講師
2016年 北海道大学 非常勤講師
2018年 大内眼科退職
同年 大内雅之アイクリニック院長
2020年 東京医科歯科大学 特命教授

現在の仕事についた
経緯

東京慈恵医大を卒業した1990年は、バブル絶頂期で東京の住宅事情が悪すぎたため、愛着のあった東京の名門校を離れ、地元の京都府立医科大学附属病院で研修、そのまま入職しました。
そこは角膜が専門の大学でしたが、私はよりcompetitiveな分野で、より多くの患者に福音を与える、白内障、眼内レンズ手術に目を奪われ、京都で一人、極小切開手術という新しい術式に取り組んでいました。それが当時、白内障手術の分野で世界をリードしていた、母校の前教授:常岡寛先生の眼に留まったのです。
同氏は、医師としては異なる所属施設でありながら、同じ慈恵卒ということだけで、私に指導、活躍のチャンスを与えてくれ、今の私の礎となりました。
大変感謝するとともに、慈恵医大の結束の強さに感謝しています。

仕事へのこだわり

私が専門とするのは、白内障手術と近視矯正手術ですが、どのような分野であっても、優れた医師・術者は例外なく、講演実績、論文実績を持っています。これに応えられる医師であることが、私のこだわりです。
なぜなら、論文は査読(=同じ専門の他の医師による採点)をくぐり抜けたモノだけが世に出るため、同業者の公平な評価を得ている証拠であり、講演は医師に対するレクチャーなので、これは「医師に教える医師」だからです。
同じピアニストでも、ピアノの先生と生徒さんのどちらが上手かを考えれば容易に分かります。同じ曲は誰が弾いても同じではありません。
また名医本はお金を払えば掲載されます。HPの謳い文句も、本人がいくらでも美化できるものです。論文実績、講演実績だけが、その医師、その術者の質を公正にバイアス無く表現しているものなのです。
一方でこの分野は手術装置、術中計測器、眼内レンズなどの医療機器、医療材料の進化が非常に早く、これらを使いこなす知識、そして何より自身の手術手技を洗練させる才能と努力が患者さんの見え方にダイレクトに影響します。
しかし、白内障手術に関しては、質、レベルを問わなければ、国内に無数の手術施設があります。これらの中から、お金をかけたプロパガンダではなく、上述したような客観的で正しい評価を受けている施設を患者さんが正確に選べるような情報発信も、私の使命と考えています。
一方、もう一つの私の専門分野である近視矯正手術:ICL手術の正しい啓蒙と普及にも尽力しています。

そう思えるようになった
きっかけ

白内障手術は、現在、玉石混淆で様々な水準の医療施設で行われています。そのほとんどは、その施設なりにベストを尽くし正しい手術医療を展開していますが、一方で、手術は出来ないが資金の潤沢な医師が手術設備を構え、アルバイト医師を呼んで手術を行う「いわゆるオペバイト問題」というのが、眼科の世界では周知の闇として存在します。
患者さんと会ったこともない、顔も知らない医師が、人の体にメスを入れるという蛮行の末、ミゼラブルな結果となり、私のクリニックに助けを求めてくる患者さんが後を絶ちません。手術を収益手段と考える医療施設と小遣い稼ぎをしたい医師の利害が一致して行われているそれらは、手術の多くが短時間でかつ外来手術で行われる眼科特有の問題です。その殆どは、手術手技そのものよりも、知識不足の医師による手術計画、術者の問診不足(あるいは問診皆無)、データ不足など、そのシステムでは起こりえることが自明の不備から起こる悲劇です。
そんな中、近視矯正手術、特にICL手術は、近年注目され始めています。これは安全性、正確性ともに、非常に優れた手術であり、世界中のどの専門学会に行っても評価は変わりません。
しかし日本だけ、屈折矯正手術の普及が遅れているのです。その理由は、日本人は欧米人ほど眼鏡を嫌わないこと、元々コンサバティブな国民性があること上げられます。そしてもう一点、特にICL手術は、ライセンス制になっており、限られた術者によって質が担保されているのですが、裏を返せばこの医療に参画できない医師が多数おり、それらICL手術を見たこともやったこともない医師から発信される、レアケースの合併症など誤情報が誇大に受け取られているためです。
現在、真面目に手術をしている多くの仲間達や、地に足を付けて診療と学術活動を行っている私たちが次に求められることは、そのような業界の闇に、はっきりとスポットを当てて「世直し」することだと言えます。

今後の目標

自身の技術を絶え間なく向上させ、それらを他の医師や術者に発信・共有すること、そして前述の、眼科手術の知られざる闇にメスを入れる使命を全うし、若い医師への教育を行うことです。
私一人で治せる患者さんはせいぜい年間に千数百名と限られています。しかし、私の知識と技術を伝えることで、高い水準の技術、高い倫理観を持つ優れた術者が育てば、その数だけ多くの患者さんが良い手術を受けられるようになります。そして彼らが後進の指導にあたれば、さらに未来の患者さんが良い手術を受けられます。
このようにして、日本中が正しく質の高い手術医療で満ちあふれるよう、微力ながら貢献したいと思います。

※ 本サイトに掲載している情報は取材時点のものです。

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