学生時代から数学などが得意で理系の学問に進みたかったこと、そして、幼いころから昆虫・小鳥・犬など様々な動物を飼育していた経験から動物医療に関心が湧き、その道を意識するようになりました。
また、少し一般的な人と違うようなことをしてみたいという一風変わった性格もあり、獣医学部に進学することにアイデンティティを感じていた部分もあります。
動物関連の職種は大学での研究職や製薬企業での勤務、公務員や産業動物獣医師と幅広く活躍することができます。
その中でも、やはり直接命に向き合える臨床の現場にいたいという思いから、大学病院での経験などを踏まえて、動物病院を開院して、診療にあたっています。
栗尾雄三
konomi動物病院
院長
山口大学農学部獣医学科卒業。広島の開業動物病院で2年勤務したのち、横浜で動物病院を開院。4年間横浜で運営したのち、2018年広島に移転してkonomi動物病院を開院。
現在の仕事についた経緯
仕事へのこだわり
医療は日々進化しています。10年前は手が出なかったものが、今では簡単に治るようになったりもするものです。それは動物医療にもあてはまります。毎年のように新薬が生み出され、それを現場で案内して提供することが我々の仕事です。
なので、その進化しつづけているものを常に取り入れて、最新の動物医療をお届けすることを意識しています。
そのために学会への参加、獣医師との交流、日々の勉強などを怠らないようにしています。
そして、次に自身をアップデートしていくということです。
昨日できなかったことが少しでも次の日にできるようになっているか、今まで手つかずだったようなことをキレイに片付けることができたかなど、毎日“なにか変わった自分になれるか”を意識しています。
単純ではあるのですが、毎日自分が変われば、それは客観的にみて、きっと素晴らしい人になっているのではないかと思うのです。だから苦手なことや難しいことなど、なんでもチャレンジしていく気持ちが大切だと思います。
また、見落としのない動物医療を提供することを大事にしています。
やはり動物医療の大変な一面として、動物は言葉を話すことができないということがあります。どこか痛そうにしていても、どこかが分からない、苦しそうにしていても何が問題かはっきりと分からないことなどが多々あります。
例えば石を食べてしまって、お腹を痛めた犬がいても、レントゲンを確認しないことには一向に原因は分かりません。そういう時に、どういったことが考えられるか、考察できうることを必死に考えて、見落とすことのないように検査・治療にあたることがとても重要だと感じています。
そう思えるようになった
きっかけ
それは誰もが当たり前に使用するようになったスマートフォンに入っているアプリを見たときです。私のスマートフォンには50以上のアプリが入っていますが、毎日のようにどれかが自動的にアップデートされています。つまり、昨日とは違うスマートフォンに毎日なっているのです。それが当たり前のようで、実はすごいことだと感じるのです。だからスマートフォンは誰もが利用して、手放せなくなっているのではないでしょうか。世界の進歩に遅れをとらず、それが信頼につながっている気がします。
私自身もそうした存在でありたいと、信用してもらえる存在でありたいと、とても思います。
そして、セカンドオピニオンが非常に意識される昨今ですが、そのセカンドオピニオンの中で問題となりやすいのが、診療の見落としです。
医療行為自体を失敗することはほとんど無いのですが、見落とし、見過ごしというのは比較的よくあります。ただの風邪だと思っていたら、実はガンだったということはとても痛い見落としになります。そして、それは誰もが批判してくる対象となってしまいます。
そういうことのないようにすることが肝要です。
今後の目標
一方で経営者としては動物医療業界を盛り上げていきたいところです。
まずは従業員の給与水準をあげるよう意識して、平均的なものより上でいられるようにしていく所存です。動物医療業界は平均以下と思われがちですが、“そうじゃない社会”にさせたい気持ちがあります。
そして、この業界に参加してくれる人が増えてくれることを切望しています。
※ 本サイトに掲載している情報は取材時点のものです。