Profile

河野和彦

名古屋フォレストクリニック
院長

近畿大学医学部卒業、名古屋第二赤十字病院研修(2年)、名古屋大学大学院修了、名古屋大学老年科講師、愛知県厚生連海南病院老年科部長、共和会共和病院老年科部長、名古屋フォレストクリニック院長となり現在に至る。著書に『コウノメソッド流臨床認知症学第2版』(日本医事新報社)など多数。中国版2冊、韓国版1冊も翻訳されている。

現在の仕事についた経緯

研修医時代に、薬剤師の父親から、『これからはお年寄りが増えるから老年科が大事になる』と言われました。
そして老年科講座の大学院に進学はしましたが、博士論文はマウスの動脈硬化実験でした。
ちょうど、そのころ愛知県豊橋市の認知症専門病院に毎週通うようになり、大勢の患者さんを診察できたことで、このデータを生かしたいと認知症専門になりました。

仕事へのこだわり

研修医の時に、末期の肝硬変の女性から、『先生はどの患者さんの先生より朝早く回診に来てくれるからうれしい。私たち患者はね、主治医の顔を見ないと1日が始まらないのよ』と言われたことが脳裏に焼き付きました。それ以降、朝方の仕事をしています。
名古屋大学で初の認知症外来を開設して、当時ご家族に一番喜ばれたのがチアプリドでした。怒りっぽい患者さんを鎮めることがいかに介護で大事かを知りました。
海南病院では、ケアマネジャーさんの勧めで家族会を立ち上げ、コウノメソッドの三本柱の1つ『介護者保護主義』が確立されたのです。患者さんだけでなく、ご家族にも人権がありますものね。
共和病院では精神科の先生から『ピック病はクロルプロマジンが一番いい』と教えてもらいました。60年前の薬ですが、いまでも第一選択です。
名古屋フォレストクリニックを開設したことで自由診療も可能になり、難病の歩行障害、線維性筋痛症、新型コロナ後遺症などにグルタチオン注射、認知症に低出力超音波を思う存分行っています。
発達障害も猛烈に勉強し、介護抵抗や家庭内虐待のメカニズムも俯瞰できるようになりました。
患者さんから『先生に出会えてよかった』とか『ここに来るとほっとします』と言われることが極上の喜びです。
病気でなく人を診るように心がけています。雑談も大事です。

そう思えるように
なったきっかけ

認知症も最初は診断が大事ということで、大きな病院へ行かれると思います。
しかし精密な鑑別診断をしても、出される薬は同じ。抗認知症薬で興奮してしまうこともあるし、以後の処方は開業医に任せているではないですか。
その開業医が認知症に詳しいとは限らないし、病状の変化で処方は変えないといけないのです。
結局、ケアマネジャーさんの助言で名古屋フォレストクリニックへ誘導していただき、処方を変更するのです。そこで、疲れ切った介護者を心から支える必要を感じています。
多くの介護者の姿を見て、介護者保護主義になりました。

今後の目標

コウノメソッドは当初、認知症薬物療法マニュアルでしたが、いまや発達障害、変性疾患の診断、治療もできるようになりました。
画像機器を持たない開業医さんでも主役になれるよう、Youtubeで発信していますし、コウノメソッドメデイカルクラブで100人くらいの会員に実践指導を続けています。
なにより私自身が臨床医として成長することが大事だと肝に銘じています。
患者さんから教わったことは忘れないようにスライドにしています。

※ 本サイトに掲載している情報は取材時点のものです。

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