Profile

剣木憲文

銀座ヒカリクリニック
院長

川崎医科大学医学部医学科を卒業後、湘南藤沢徳洲会病院で研修。東京医科大学病院放射線科に入局し、東京医科大学社会人大学院、放射線医学分野、博士課程修了。
2019年より現職。
人気YouTube番組、性病でっか⁉TVに出演。毎週水曜20時から生配信で視聴者の質問を受け付けている。

現在の仕事についた経緯

アルバイト先で性感染症の患者様に出会い、その社会性に胸を打たれました。
それまで放射線科診断部で、画像下治療と呼ばれるカテーテルによるがん治療をしていたのですが、標準治療が継続できなくなってしまったがん患者様を診療し、誠心誠意治療して差し上げてとても喜んで頂いていました。余命宣告を受けた患者様のがんを、私たちの治療で少しでも小さくしたり、大きくなるのを遅らせたりできる事が私の最大のやりがいでした。
一方、性感染症の患者様というのは人に言えないような様々な問題を抱え、緊張した面持ちで診察を受けられて、帰る時には医師である自分に感謝をするどころか挨拶すらもろくにせず、そそくさと帰っていくのです。
その患者様の背中姿をみて、この人たちこそ何とか救われなければならない人たちなのだ、と不思議と何かが自分の中に芽生えたのでした。その5か月後には性感染症専門のクリニックを開業していました。

仕事へのこだわり

プライバシーを配慮した待合室の構造、性的な内容を含む問診票、医師も患者も日本でタブー視されるような性的内容を含む会話が容易にできる空気感、性的マイノリティや性を生業とする職業に対して差別しない教育が行き届いている医師および医療スタッフの存在、そんな医療機関があったらいいのに――。
性感染症患者様にとって一番理想的なクリニックを作る、それが私たちのこだわりです。

そう思えるようになった
きっかけ

性感染症患者様を取り巻く環境はとても閉鎖的で、複雑で、特殊です。
総合病院の診察でとても性的な事を打ち明ける雰囲気でなかったり、風俗店で勤務している事・または利用している事を叱られたり――。人によっては性器のできものを気にしているのに、診察すらしてもらえなかった、と傷つく患者様もいらっしゃいます。
そのほとんどが医療従事者の質に関わる事ばかりでなく、医療機関全体のシステムが原因であると私は考えています。

今後の目標

幸い、当院には毎日多くの性感染症患者様がお越しになられます。その1人1人に十分に時間をかけて、最高で最善の治療を提供しています。次に私たちが目指すのは啓発活動と考えています。
どんな医療においても言える事ですが、最大の医療というのはつまるところ、予防医療です。
まだ患者様と呼ばれない方々を対象に検査をお勧めし、病気の早期発見、早期治療に結びつける事が一番大事です。そのために私たちは日々、SNSでの発信を続けています。

※ 本サイトに掲載している情報は取材時点のものです。

Archive