Profile

井倉和紀

西早稲田ライフケアクリニック
院長

聖マリアンナ医科大学医学部卒業後、東京女子医科大学に15年以上勤務して、糖尿病とフットケアを専門とした診療を行ってきた。これまでの経験を活かし、2023年9月に「頭のてっぺんから足の爪先まで」全身のトータルケアを目指した西早稲田ライフケアクリニックの院長となり現在に至る。

現在の仕事についた経緯

母方の祖父母が医師で、医療は常に身近でした。産婦人科クリニックを開業していた祖母は東京女子医科大学の卒業生で、僕が生まれたのも同大学病院です。
糖尿病を専門にしようと思ったのは、患者さんと密に接して長くお付き合いしていく必要がある疾患だったからです。合併症のリスクもあるので、全身を診ていかなくてはいけない点にも興味を持ちました。
大学病院では数多くの重症例を対応してきましたが、特に足の合併症に特化したフットケアの外来での経験はすべてが忘れがたいです。足を切断しなければ生命に危険が及ぶほど症状が進んでしまって、苦しむ患者さんたちを目の当たりにして「重症化を未然に防ぐゲートキーパー的な役目が必要だ」と考えるようになり、開業を決意しました。

仕事へのこだわり

診療にあたっては、患者さんのお話に丁寧に耳を傾けるように注意しています。糖尿病の治療は血糖値のコントロールさえできていればいいというものではありません。
患者さんのちょっとした訴えには、より良い治療のためのたくさんのヒントが隠れています。糖尿病以外にも調子が悪いところはないか、お困りのことは何でも話していただけるような雰囲気づくりも大事です。
食事指導では何時に何を食べているのか、間食は多いのかなど、普段の生活習慣を詳しく教えていただかなければいけません。また、フットケアに関してもどんな靴を履いているのか、毎日どれくらいの距離を歩くのか、そういったことをきちんと踏まえてアドバイスしていきたいと考えています。

そう思えるようになった
きっかけ

足をきっかけにしてさまざまな疾患がないか調べることができるのは大きなメリットなのではないでしょうか。足のむくみから、心不全、腎不全が見つかったり、足の血流障害が隠れていたり…という例も少なくありません。
特に、糖尿病患者さんは足の変形を起こしやすく、神経障害などの合併症についても注意深く見ていく必要があります。当院では糖尿病の合併症として考えられる全身疾患に関して一通りの検査と評価が可能です。
ただし、糖尿病性網膜症の検査だけはできないので、同じ医療ビルにある眼科を紹介いたします。フットケアの外来をトータルケアの窓口としていただければうれしいですね。

今後の目標

クリニックのコンセプトでもある、全身のトータルケアを追求していきたいです。糖尿病以外の方でも、トータルケアをしてほしいという患者さんはたくさんいるのではないかと思っています。
同じような症状でもそれぞれのライフスタイルごとに治療計画をアレンジしていくようなオーダーメイドのケアをしていけたらいいですね。
「何となく調子が悪い」というような時でも、“ここに来れば悩みを気軽に相談でき、各種検査も受けられ、必要に応じてより専門的な医療機関も紹介してもらえる”と、近隣の方々に認知してもらえるように努力していきたいです。
ホームドクターとして10年先、20年先の皆さまの健康のために、できることを一つずつ積み上げていきたいと考えています。

※ 本サイトに掲載している情報は取材時点のものです。

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